伊那谷の風と太陽でじっくり天日干し|杜仲茶の品質を支える杜仲葉の乾燥と検品
7月から始まった杜仲葉の収穫も、ようやく終わりを迎えました。
ひと段落と言いたいところですが、私たちの仕事はまだ終わりません。収穫した杜仲葉をじっくり乾燥させ、その一枚一枚を確認しながら検品・回収する作業が、まだまだ続きます。
Minowa Tea Gardenでは、伊那谷の風と太陽の恵みを活かし、ビニールハウスの中で杜仲葉を乾燥させています。
今回は、杜仲茶の品質を支える杜仲葉の乾燥方法と、私たちが日々の作業で大切にしている品質管理についてご紹介します。
杜仲葉の乾燥方法を見直した理由

私たちが事業を引き継ぐ以前は、杜仲の枝に葉をつけたまま乾燥させていました。
しかし、現在は杜仲の木から直接葉を摘み取るか、枝を切り出した場合も、すぐに葉を摘み取り、葉だけの状態で乾燥させています。
この方法に変えたのは、私自身が、枝につけたまま乾燥させるよりも、葉だけを取り出して乾燥させたほうが、杜仲葉本来の品質を保ちやすいのではないかと感じたからです。
もちろん、これは私たちが現場で作業を続ける中で感じたことです。
杜仲茶の原料となる杜仲葉は、収穫して終わりではありません。収穫後の扱いや乾燥方法によって、その後の品質管理のしやすさも変わってきます。
だからこそ、私たちは収穫した葉の状態を確認しながら、できるだけ丁寧に乾燥させることを大切にしています。
ビニールハウスでの杜仲葉の乾燥。気を付けている3つのこと

杜仲葉をビニールハウスで乾燥させる際には、特に気を付けていることがあります。
それは、含水率・紫外線による日焼け・温度差による蒸れの3つです。
乾燥を進めるためには、ハウス内の環境を適切に保たなければなりません。日差しが強すぎれば葉が日焼けすることがあり、温度や湿度の状態によっては、葉が蒸れてしまうこともあります。
また、今年の9月のように悪天候が続くと、乾燥が思うように進まず、乾燥前にカビが発生するリスクも高まります。
天日干しは、太陽の光と自然の風を利用できる一方で、天候に大きく左右される乾燥方法です。
毎日、葉の状態やハウス内の環境を確認し、その日の天候に合わせて対応する必要があります。収穫期は、気の休まらない日々が続きます。
休みの日も欠かせない「天地返し」

杜仲葉の収穫期に入ると、ほぼ毎日、収穫作業が続きます。
そして、収穫と並行して行うのが、乾燥中の杜仲葉の「天地返し」です。
葉ができるだけ均一に乾燥するよう、乾燥中の葉をひっくり返し、状態を確認します。収穫が続く期間は、基本的に毎日この作業を行うため、休みの日もスタッフが交代で天地返しやビニールハウスの開閉を行っています。
早朝、東の空が朝焼けに染まる頃。
凛とした空気の中、杜仲の葉の香りに包まれたハウスで天地返しをしていると、一日の始まりを実感します。
忙しい収穫期の中でも、この時間は私たちにとって季節を感じる風物詩のようなものです。
こうした日々の積み重ねが、杜仲葉の乾燥状態を確認し、品質を管理することにつながっています。
乾燥した杜仲葉は一枚ずつ人の手で検品

乾燥が進んだ杜仲葉は、すべて笊(ざる)に取り、人の手で検品しながら回収します。
以前のブログでもお伝えしましたが、この検品作業は、杜仲茶の原料としての品質を守るうえで、とても重要な工程です。
収穫時に混入した、十分に光合成できていない葉や黄変した葉、細かな異物などを、一つひとつ確認して取り除いていきます。
金属やプラスチックなどの異物については、金属探知機やX線検査装置などを活用して検出できる場合があります。しかし、農産物である杜仲葉には、植物片などの自然由来の異物が想像以上に混入することがあります。
こうした異物は、機械による検査だけですべてを取り除くことが難しい場合もあるため、人の目と手による確認が欠かせません。
また、乾燥した杜仲葉の含水率にばらつきがある場合には、ネットに入れて乾燥を調整するなど、状況に応じた対応も必要です。

自然の力を利用する天日干しは、環境への負担を抑えながら乾燥できる一方で、天候や葉の状態に合わせた細かな判断が求められます。
だからこそ、乾燥から検品、回収まで、一つひとつの工程を丁寧に進めることを大切にしています。
ブルーシートを直接使わない理由

杜仲葉の乾燥で、私たちが特に気を付けていることの一つが、ブルーシートの上で原料を直接乾燥させないことです。
ブルーシートは比較的安価で、農作業をはじめ、さまざまな用途に使われています。しかし、製品の種類や使用環境によっては、耐熱性が十分でないものもあります。
ビニールハウスの中は、日差しによって高温になることがあります。そのような環境でブルーシートを使用すると、表面の塗膜が劣化して剥がれ、乾燥中の杜仲葉に混入するおそれがあります。
実際に、以前、仕入れた原料にブルーシートの塗膜が大量に混入していたことがありました。結果として、何十キロもの原料を廃棄せざるを得ませんでした。
一度混入した塗膜を取り除くことは非常に難しく、原料そのものを使えなくなってしまうこともあります。
この経験から、乾燥に使用する資材の選定も、品質管理の重要な一部だと考えています。
現在、私たちはブルーシートを日光や熱が直接当たりにくい下部に敷き、その上に耐熱性のある専用シートを重ねて使用しています。
目に見える原料の状態だけでなく、乾燥に使う資材まで気を配ること。それも、安心して手に取っていただける杜仲茶づくりに欠かせない取り組みです。
一枚の杜仲葉にも、手間と時間をかけて

杜仲葉の収穫が終わっても、乾燥、天地返し、検品、回収と、まだまだ作業は続きます。
天候に合わせてハウスの環境を調整し、葉の状態を確認しながら乾燥させ、最後は人の手で一枚ずつ検品する。
こうして振り返ると、杜仲茶づくりは、収穫するだけでは成り立たない仕事だと改めて感じます。
伊那谷の風と太陽の恵みを活かしながら、自然任せにするのではなく、日々の観察と細かな手入れを積み重ねていく。
Minowa Tea Gardenでは、これからも杜仲葉の状態と向き合い、一つひとつの工程を大切にしながら、丁寧な杜仲茶づくりを続けていきます。

