杜仲茶を楽しむ時間

杜仲の栽培、そして杜仲茶の製造を生業としているだけあって、毎日というより常に杜仲茶を飲んでいます。(※コーヒーも飲みますが。)
けれど年明けから慌ただしい日々が続き、気づけば「味わう」というよりも、ただ習慣として口にしているだけになっていました。
それではいけないな、とふと思ったのです。
自分たちが育て、作っている杜仲茶。
もっとゆっくり向き合い、その魅力を改めて感じる時間が必要だと感じました。
そこで最近、Instagram投稿用に杜仲茶を使った創作料理を再開しました。
杜仲茶は「飲むもの」という印象が強いかもしれませんが、実は料理との相性も良く、香ばしさややさしい風味が素材の持ち味を引き立ててくれます。
お茶としてだけでなく、食材として向き合うことで、これまで気づかなかった表情が見えてくるのも面白いところです。

最初にご紹介するのは、杜仲茶で炊いたカオマンガイです。
といっても、作り方はとても簡単。
基本的なカオマンガイのレシピで使う“水”を杜仲茶に置き換えただけ。電子ジャーで手軽に作れる一品です。
以前、長年料理開発に携わっている方から「杜仲茶は肉の臭みを和らげてくれる」と伺ったことがありました。
それならば、鶏肉特有のあの独特の香りも抑えられるのではないか、と試してみたのです。
炊き上がりの蓋を開けた瞬間、まず驚きました。
あのクセが気にならず、香りはまろやか。
そして一口食べて、さらにびっくり。とても上品で、すっきりとした味わいに仕上がっていました。
杜仲茶単体で飲むと、しっかりとしたコクと風味を感じるのに、他の食材と組み合わせると、不思議なくらい控えめになり、まるで「私のように」そっと後ろから支えているような存在になります。(笑)

お次は、パウダーにした杜仲茶ときなこをトッピングしたおしるこのご紹介です。
こちらも作り方はとても簡単。
杜仲茶をミルで細かいパウダー状にし、きなこと塩を少々合わせて、おしるこにふりかけるだけです。
試してみると、
正直に言って、美味しいです。
美味しいのですが、きなこが「これでもか」というくらい前面に出てきます。
香ばしさと甘みの主役は完全にきなこ。杜仲茶の存在はどこへやら、という感じです。
それでも、きっと杜仲茶がひっそりと良い仕事をしているのだろうと思います。(笑)

最後は、本当に簡単で、冬の時期には特におすすめの一杯。
生姜入り杜仲茶です。
作り方はいたってシンプル。
いつもの杜仲茶に、すりおろした生姜、もしくは薄切りにした生姜を加えるだけ。お好みで少しはちみつを加えてもよく合います。
湯気とともに立ちのぼる生姜の香り。
ひと口飲むと、杜仲茶のやさしい風味の奥から、生姜の温かさがじんわりと広がります。
体の内側からゆっくり温まっていく感覚は、寒い季節ならではの楽しみです。
創作料理といっても、凝ったことばかりではなく、こうした“ひと手間”も立派なアレンジ。
忙しい日々の中でも、ほんの少し手をかけるだけで、お茶の時間はぐっと豊かになります。
これからも、栽培者として、作り手として、
そして一人の飲み手として、杜仲茶の新しい楽しみ方を探していきたいと思います。

